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導入事例

日本通運株式会社

日本通運株式会社
iFieldを活用してコンテナ積載用
シャーシの所在と状態を視覚化する
日本通運株式会社
フォワーディングビジネスユニット 国際海運オペレーション部 様
GPSとミリ波センサーでシャーシの探索時間を大幅に改善

物流総合企業としてさまざまな輸送を担う日本通運。 国際海上コンテナを管轄し、 東京港の大井ふ頭に事業所を構える国際海運オペレーション部では、 複数の駐車場に点在するシャーシ(コンテナを積載する専用トレーラー)約300台の所在や状態の把握に時間を費やしていた。 課題解決のためにiFieldを導入し、 シャーシの位置や状態の視覚化、 とりわけミリ波センサーを活用したコンテナ積載の有無の把握により空シャーシの探索時間の改善を実現した。
コンテナを積載するシャーシの所在がわからない
国際海上コンテナ輸送では長さ20フィート(約6m)と40フィート(約12m)の異なる2種類のコンテナが混在しており、 それぞれの長さに応じたシャーシ(コンテナを積載する専用のトレーラー)に積載してけん引し、 コンテナヤード(積み下ろしや一時保管のための施設)から顧客に配達し、 そのコンテナをまたヤードに戻すことを日々繰り返す集配作業を行っている。
同事業所では約300台のシャーシを保有しているが、 17カ所の点在したシャーシ駐車場があるなかで、 シャーシの所在が特定できず、すぐに使えるシャーシを探すのに時間を要するという課題を抱えていた。 必然的に見つけやすく近くにあるシャーシの使用頻度が高くなり、 見つけにくく離れた場所に置いてあるシャーシは使用頻度が落ちるなど偏重が生じることに加え、 稼働情報がデータ化されていないことから適正な管理ができず、時間・運用効率の低下につながっていた。
同事業所で課題改善を検討した結果、 iFieldの導入によるシャーシの視覚化に取り組むこととなった。

- <キャプション>
- 東京湾に点在するシャーシ駐車場
GPSとミリ波センサーでシャーシの位置と状態を把握
iFieldではシャーシにGPS端末を装着することで、 シャーシのタイムリーな位置情報が把握できる。 さらに使用頻度の偏重を防ぐために、 車両の情報(車番・車検情報)を連携させて、 走行距離・車検時期・稼働実績などを併せて把握することとした。 ただしこれだけではシャーシの位置や車番はわかっても、 そのシャーシが直ちに使えるかどうかは判別できない。
そこで導入されたのが、 GPSとミリ波センサーを搭載し各シャーシのコンテナ積載の有無も判定できるhoopo端末だ。 ミリ波センサーは、 ミリ波で前方の障害物を検知することが可能であることから、 自動車の衝突軽減装置などで活用されている。 GPSとミリ波センサーを搭載した機器をシャーシのフロント部分に取り付け、機器本体からミリ波が戻ってくる時間を計測することで、 コンテナの積載の有無を判定する。 コンテナが積載された状態であればミリ波センサーは積載状態を示し、 積載されていなければ積載なしを示す仕組みだ。 機器は長さ14cm、約300gとコンパクトな形状で、単3リチウム電池6本で稼働する。 電池の消耗が気になるところだが、 通信間隔を制限することで電池寿命を延ばしており、車検時に交換することで事足りる。


- <左キャプション>
- hoopo端末と取り付け位置
- <右キャプション>
- ミリ波センサーによる動態把握の仕組み
機器には3軸加速センサーが内蔵されており、 シャーシがけん引され移動中であれば位置情報が設定された間隔で更新されるが、 切り離し等で一定の時間位置情報が変わらなければ「停止中」となり通信も停止、 移動を始めると再び通信が開始される仕組みである。これにより通信間隔が制御され、 電池の消耗を軽減できることはもちろん。移動中であればシャーシは使用中、 長時間停止中であれば使用されていないと判断することも可能になる。
この機器により事業所内のPCでシャーシの所在と状態を簡単に確認できるようになり、 従来人海戦術で実施していたシャーシの探索が大幅に効率化され、 運行効率向上の一翼を担うこととなった。 また稼働実績の集計機能により、 シャーシの適正管理も実現している。


システムのポイント
- 電源供給ができないシャーシの所在を長寿命のGPS端末で管理
- ミリ波センサー搭載のGPS端末を活用したシャーシのコンテナ積載状況管理
- 利用可能な状態のシャーシを捜索する時間の大幅な削減
お客様プロフィール

日本通運株式会社
1937年創立の総合物流企業。 NXグループの中核会社として、航空、船舶、鉄道、トラック、倉庫、ITシステムを駆使し、 高品質なロジスティクスサービスをグローバルで提供している。 国際海運オペレーション部は 日本一の国際海上コンテナ港である東京港(品川ふ頭・大井ふ頭・青海ふ頭・中央防波堤外側ふ頭という4つの国際海上コンテナふ頭からなる)を 拠点に国際海上コンテナ輸送を担っている。